「国が認めた借金減額制度」等の広告に惑わされないで!

  • 2025年4月25日
  • 2025年4月26日
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はじめに

借金に関する悩みは、誰にとっても深刻な問題です。返済が困難になり、精神的に追い詰められている状況で、「国が認めた借金減額制度」「簡単な手続きで借金が大幅に減る」といった魅力的な広告を目にすると、つい頼りたくなってしまうかもしれません。

しかし、近年、インターネット広告やSNS上で、このような謳い文句を用いた、必ずしも適切とは言えない業者による広告が散見されます。安易にこれらの広告を鵜呑みにすると、かえって状況が悪化してしまう可能性も否定できません。

今回は、借金問題でお悩みの方が、誤った情報に惑わされず、適切な解決策を見つけるために知っておくべき注意点について解説します。

「国が認めた」という表現の落とし穴

まず、「国が認めた借金減額制度」という特定の制度が存在するわけではありません。

確かに、日本には国が法律で定めた、借金を整理するための正式な手続きが存在します。代表的なものとしては、

  1. 自己破産: 裁判所に申し立て、原則として全ての借金の支払義務を免除してもらう手続き。
  2. 個人再生: 裁判所に申し立て、大幅に減額された借金を原則3年(最長5年)で分割返済していく手続き。持ち家を残せる可能性があるなどの特徴があります。
  3. 任意整理: 裁判所を通さず、弁護士や司法書士が債権者(貸金業者など)と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを目指す手続き。

これらの手続きは、いずれも法律に基づいた正当な債務整理の方法であり、生活再建を支援するためのものです。

問題なのは、「国が認めた」という言葉を使い、あたかも特別な抜け道や、誰でも簡単に利用できる独自の制度があるかのように誤解させようとする広告の存在です。

注意すべき広告や業者の特徴

以下のような特徴を持つ広告や業者には、特に注意が必要です。

  • 「国が認めた」等を過度に強調: 正式な手続きの説明よりも、キャッチーな言葉ばかりが目立つ。
  • 弁護士・司法書士事務所名を明記していない: 広告主体が誰なのか、資格を持った専門家なのかが不明瞭。紹介業者や、資格のないNPO法人、コンサルタント等を名乗るケースもあります。
  • 「必ず減額できる」「誰でも利用可能」といった断定的な表現: 債務整理は個々の状況によって最適な方法や結果が異なり、安易な保証はできません。
  • 不透明な料金体系(安価に見せかけて、後から高額な費用が発生するなど): 初期費用が安く見えても、最終的に法外な費用を請求される場合があります。
  • 手続きのデメリットを十分に説明しない: 債務整理には、信用情報への登録(いわゆるブラックリスト)など、デメリットも存在します。良い面ばかりを強調し、リスクを伝えない業者には注意が必要です。
  • 電話やメールでしつこく契約を迫る: 十分な検討時間を与えず、焦らせて契約させようとする。

なぜ弁護士・司法書士への相談が重要なのか

借金問題の解決を本当に目指すのであれば、最初から弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談することが、原則として確実かつ安全な方法です。

  • 専門的な知識と経験: 個々の状況を詳細にヒアリングし、法律に基づいて最も適切な解決策を提案してくれます。
  • 債権者との交渉代行: 専門家が代理人となることで、債権者からの直接の督促が止まり、精神的な負担が軽減されます(受任通知の発送)。
  • 法的手続きの代理: 裁判所への申し立てなど、複雑な手続きを代行してくれます。
  • 不当な請求からの保護: 不安を煽って高額な請求をするような悪質な業者から、依頼者を守ってくれます。
  • 秘密厳守: 相談内容や個人情報が外部に漏れることはありません。

どの専門家に相談すべきか?地元の経験豊富な弁護士のススメ

借金問題の相談先として弁護士や司法書士が挙げられますが、当事務所の弁護士 芝原章吾 としては、可能であればお住まいの地域の弁護士(地元の弁護士)、特に破産管財人や個人再生委員の経験が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

その理由は以下の通りです。

  1. 地域社会での信頼と責任: 地元の弁護士は、その地域での評判や信用を非常に重視します。インターネット広告等で広域から集客を行う一部の事務所とは異なり、地域に根差した弁護士が、地元の依頼者を不当に扱ったり、利益のために食い物にしたりするようなことは考えにくいと言えます。長期的な信頼関係を大切にする傾向があります。
  2. 地域の裁判所運用への精通: 破産管財人や個人再生委員の経験を持つ弁護士は、その地域の裁判所の手続きの進め方、判断基準、求められる資料といった実務運用に精通しています。これにより、手続きをよりスムーズかつ的確に進めることが期待でき、依頼者にとっても有利に進む可能性が高まります。都市部の集客型事務所の場合、必ずしも相談者の地域の裁判所の運用に詳しいとは限りません。

もちろん、様々な事情により地元の弁護士への相談が難しい場合や、他の事務所に魅力を感じる場合もあるかと存じます。最も重要なのは、安易な広告に惑わされることなく、ご自身の状況を親身に聞き、誠実に対応してくれる信頼できる専門家を見極めることです。

まとめ

「国が認めた借金減額」といった甘い言葉の広告は、借金で苦しむ方々の弱みにつけ込む手口である可能性も否定できません。安易な情報に飛びつく前に、まずは冷静になり、信頼できる相談先を探すことが重要です。

借金問題は、適切な専門家のサポートを得ることで、必ず解決への道筋が見えてきます。一人で抱え込まず、勇気を出して、信頼できる専門家にご相談ください。

芝原総合法律事務所でも、借金問題に関するご相談(有料)を随時受け付けております。上記のように地元の経験豊富な弁護士への相談を推奨する立場ではありますが、当事務所にご相談いただいた際には、これまでの経験に基づき、依頼者の方にとって最善の解決策を誠実に検討し、提案させていただきます。まずはお電話にてご連絡ください。経験豊富な弁護士が、あなたにとっての解決策を一緒に考え、サポートいたします。

免責事項: この記事は、借金問題に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の案件に対する法的アドバイスではありません。具体的な法的問題については、必ず弁護士にご相談ください。